かりんとうと聞くと、黒糖や白砂糖の蜜をまとった甘いお菓子を思い浮かべる人が多いかもしれません。けれど、姫島の車えびかりんとうは少し違います。蜜をからめて甘く仕上げるのではなく、姫島特産の車えびの旨みと、天然あおさの磯の香りで食べる、甘くないかりんとうです。
ひと口目は、サクッと軽い。噛むほどに車えびの香ばしさが出て、あとからほんのりした甘みと旨みが重なります。お菓子でありながら、お酒のおつまみにも合う。子どものおやつにも、大人の晩酌にもなじむ。この幅の広さが、車えびかりんとうのおもしろいところです。
車えびかりんとうをひと言でいうと
姫島の車えびかりんとうは、「車えびをまるごと使った、塩味仕立ての海のかりんとう」です。生地には姫島特産の車えびを練り込み、仕上げには天然あおさの粉末をまぶします。一般的なかりんとうのように砂糖蜜で表面をコーティングしないため、甘さよりも、えびの香ばしさと磯の香りが前に出ます。
ただ「えび味のお菓子」とまとめてしまうと、この商品のよさは伝わりません。車えびに下味を付け、炊き、天日干しして粉末にする。揚げ方を考えてリボン形にする。あおさが付きやすい形にする。小さな一枚の中に、島の食材と、手間を惜しまない作り方が詰まっています。
原点は、姫島を代表する車えび
姫島は、国東半島の沖に浮かぶ一島一村の離島です。島の名産として全国的に知られているのが「姫島車えび」。姫島村の公式情報でも、塩田跡地を利用して始まった養殖物と、姫島近海で獲れる天然物があり、姫島のブランド商品として紹介されています。
車えび養殖の背景も、姫島らしさをよく表しています。かつて主要産業だった塩田が国の政策で廃止されたあと、塩田跡地の利用、雇用、地場産業の振興を目的に車えびに着目しました。姫島車えび養殖の養殖池は、中央部・西部・東部の3か所に15面、総面積383,300平方メートル。島の土地の記憶と、長く続く養殖技術が、車えびという名物を支えています。
その車えびを、特別な日のごちそうだけで終わらせず、もっと日常に近い食べ方へ広げたものが車えびかりんとうです。刺身や塩焼きで味わう車えびとは違い、袋を開ければすぐ食べられる。島の看板食材を、常温のお菓子として持ち歩ける形にしているところに、加工品としての価値があります。
こだわり1。原材料は、国産を大切にする
車えびかりんとうでまず大切にされているのが、原材料です。小麦粉、砂糖、車えび、食塩、あおさ、昆布粉末、植物油など、素材の一つひとつが味の土台になります。えびの香りを生かす商品だからこそ、強い調味でごまかすのではなく、素材の組み合わせで味を作ることが大切です。
特に主役は車えびです。姫島特産の車えびを使うからこそ、ただのえび風味ではなく「姫島の車えびかりんとう」になります。地名が入る商品は、その土地の素材がきちんと味の中心にあることが大事です。姫島の車えび、あおさ、昆布の旨みが重なり、海の香りを感じる一枚になります。
こだわり2。下味、炊き、天日干しで、車えびの旨みを濃くする
このかりんとうの深い味を作っているのが、車えび粉末の仕込みです。車えびに下味を付けて炊き、さらに天日干しすることで、水分が抜け、旨みと香りがぎゅっと凝縮されます。その車えびを粉末にして生地に練り込むため、噛んだときにえびの風味がじわっと広がります。
大切なのは、車えびを「まるごと」使うという考え方です。身だけでなく、頭や殻にある香ばしさも、えびらしい風味を作ります。海老せんべいを食べたときに感じる香ばしさに近い部分ですが、車えびかりんとうはそこに小麦生地のサクサク感と、かりんとうらしい噛みごたえが加わります。
手間をかけた粉末は、ただ細かく砕いた原料ではありません。下味、加熱、乾燥を経て、かりんとうに合う香りへ整えたものです。ここが、他のえび風味菓子と大きく違うところです。
こだわり3。天然あおさで、磯の香りを重ねる
一般的なかりんとうは、揚げた生地に黒糖や白砂糖の蜜をからめます。車えびかりんとうでは、その甘いリンかけをしません。代わりに仕上げでまぶすのが、天然あおさの粉末です。
あおさは、車えびのコクを重くしすぎず、磯の香りで輪郭を作ってくれます。えびの旨みだけだと、香ばしさが強く出すぎることがあります。そこにあおさが入ると、海の香りが広がり、後味がすっきりします。だから、ひと口で終わらず、もう一枚食べたくなる味になります。
安価なあおさや輸入品では出しにくい香りがある、というこだわりもここにあります。粉末だから少量に見えても、口に入れたときの香りは仕上がりを大きく左右します。車えびの旨みを引き立てる脇役でありながら、味全体の印象を決める大事な素材です。
こだわり4。リボンの形には、ちゃんと理由がある
車えびかりんとうの形は、ただかわいらしいだけではありません。改良を重ねてたどり着いたリボン形には、揚げ上がりを均一にしやすいこと、あおさパウダーが付きやすいことという、味に直結する理由があります。
かりんとうは油で揚げるお菓子です。形に厚みの差がありすぎると、硬いところ、油が入りすぎるところ、火の入り方が弱いところが出やすくなります。リボンのように薄く広がった形は、サクッと揚がりやすく、食べたときの軽さにもつながります。
さらに、表面に凹凸があることで、あおさの粉末がとどまりやすくなります。つまりリボン形は、見た目、食感、香りのための形です。手に取りやすく、口に入れやすく、あおさがよく絡む。小さな形の中に、作り手の工夫があります。
「甘くない」のに、ほんのり甘みを感じる理由
車えびかりんとうは、リンかけをしていない甘くないかりんとうです。ただし、まったく甘みがないわけではありません。生地に使われる小麦や砂糖のやわらかな甘み、車えびや昆布の旨み、揚げた生地の香ばしさが重なることで、噛むほどにほんのり甘く感じます。
この甘みは、黒蜜のように最初から強く来る甘さではありません。最初は塩味と磯の香り、あとから小麦の甘み、最後にえびの余韻。味の出方に順番があるため、大人にはおつまみとして、子どもには食べやすいおやつとして受け入れられます。
島のお母さんたちが、十年かけて育ててきた味
車えびかりんとうは、島のお母さんたちが独自の作り方で、手間ひまをかけて手づくりしている商品です。作り始めて十年。大きな工場で大量に同じ味を作るというより、島の人たちが改良を重ねながら、姫島らしい加工品として育ててきた一品です。
離島の商品づくりには、都会の食品工場とは違う難しさがあります。原料の確保、加工する人手、販路、輸送、保管。どれか一つが欠けても、商品は続きません。だからこそ、長く作り続けられていること自体に意味があります。車えびかりんとうは、姫島の車えびを無駄なく生かし、島の仕事を生む加工品でもあります。
おすすめの食べ方。お酒にも、おやつにも
まずはそのまま食べるのがおすすめです。最初は何も合わせず、車えびとあおさの香りを確かめてみてください。サクッと噛んだあと、少しゆっくり味わうと、えびの旨みがわかりやすくなります。
お酒に合わせるなら、ビール、日本酒、焼酎がよく合います。ビールには香ばしさ、日本酒にはえびと昆布の旨み、焼酎には塩味とあおさの香りが合います。強い味のスナックではないので、晩酌の最初にも、食後に少しつまむのにも向いています。
お子さまのおやつにするなら、小皿に少し出して、牛乳や麦茶と一緒に。甘いお菓子ばかりになりがちな時間に、塩味と旨みのあるおやつとして出しやすい一品です。袋のまま食べると手が止まりにくいので、家族で分けるときは小皿に出すのがちょうどよい食べ方です。
購入前に知っておきたいこと
全国の島の逸品SHOPで扱う車えびかりんとうは、1袋65g。商品ページの原材料には、小麦粉、砂糖、車えび、食塩、あおさ、昆布粉末、醤油、酒、しょうが、植物油、風味調味料、調味料が記載されています。アレルギー表示では、えび・小麦・乳成分・大豆を含む商品です。
保存は、直射日光と高温多湿を避けて常温で。開封後は湿気やすく、香りも飛びやすくなるため、なるべく早めに食べるのがおすすめです。贈り物や手土産にする場合も、常温で扱いやすいのはうれしいところです。
姫島産車えび&姫島産天然あおさ使用!車えびかりんとう
姫島特産の車えびを生地に練り込み、天然あおさで仕上げた、甘くない手づくりかりんとうです。
一枚のかりんとうから、姫島の仕事が見える
車えびかりんとうは、ただのご当地スナックではありません。姫島の車えびという看板食材があり、それをまるごと使う工夫があり、島のお母さんたちの手づくりがあり、さらに天然あおさで仕上げる香りの設計があります。
特別な車えび料理を家で用意するのは、少しハードルが高い日もあります。けれど、車えびかりんとうなら、袋を開けるだけで姫島の車えびの風味に出会えます。島の名物を、もっと身近に、もっと気軽に。そうやって食卓と姫島の距離を縮めてくれるのが、この手づくりの車えびかりんとうです。